島根県の津和野にある名勝・堀庭園。300年の歴史がある邸宅と、丁寧に手入れされた素敵な庭園を堪能してきました。
堀庭園を作った人
堀庭園は、島根県津和野町にある名勝です。この家の持ち主だった堀氏は、もともとは銅山師で島根県有数の実業家。堀家15代の堀礼造は鉱山経営の他にも、病院や電力会社、製紙会社を作ったり、学校設立に寄付をするなど地元の名士として活躍されました。
鉱山事業は日清・日露戦争後に売却し、昭和初期には鉱山事業から事実上撤退したそうです。
アクセス・開館時間
「堀庭園」という名前ですが、お庭だけではなく歴史ある邸宅とともに楽しむことができます。詳しい場所はこちら。
所在地 島根県鹿足郡津和野町邑輝795
開館時間 9:00~16:30
休館日 毎週月曜(月曜日が祝日の場合はその翌日)
入場料
一般:500円
中高生:300円
小学生:200円
*堀庭園のみの入場料です。旧畑迫病院との共通券もあります
マイカーでのアクセスが便利ですが、町営バスもあるようです。
主屋から見学開始
邸宅は、大きく主屋と客殿にわかれています。まずは1785年に建てられた主屋から見学スタート。外観はちょっとした城です。
この石垣もまさに城。
室内へお邪魔します。ちょっとした小上がりのようなところですかね。階段箪笥も素敵。
もう、何部屋あるんでしょう・・という感じで8畳くらいの部屋が続きます。見取り図を見ると、8畳前後の畳の間が8室くらい、それ意外に板の間や土間もあって、ちょっと迷子になりかけました。
歴史を感じる金庫も。開いているのかな?
台所には、まだ現役っぽいかまど。
お風呂場も近代的に作り変えられていたので、おそらく最近まで住まれていたような雰囲気でした。
客殿「楽山荘」
1897年に建てられた客殿「楽山荘」へ向かいます。
客殿らしく、茶室も完備。とってもシンプル。
室内の欄間には様々な装飾が施されています。こちらはツバメ。他にもいろいろなモチーフがあり、順番に見てまわるのも楽しいです。
そして、2階からの眺めがこちら。
「あー、よきかなよきかな」と言いたくなる景色。優雅すぎます。
縁側と欄干もシンプルですが、しっかり作り込まれている雰囲気。良い職人さんの仕業なんでしょうね。
2階の縁側から見えた庭園へ。池にはコイが泳いでいて、エサをあげることもできます。
こんな洒落た水琴窟もありました。手水鉢の水を柄杓ですくって、下の玉砂利っぽいところにかけると、地下にある空洞に水の音が響いて、手前の竹筒からキレイな音が聞こえます。なんとも風流。
お庭はぐるっと回って見学できるようですが、お天気が悪かったので室内からの見学だけにしました。
一通り見学を終えて建物を出る際に、こんな仕掛けを発見。玄関横の勝手口のようなところなのですが、丸いものが見えます。
内側の取っ手を横にスライドすると・・
おお!開いた!今で言うドアスコープですね。ちょっした郵便物くらいなら、受け渡しできそう。
職人さん、ナイスです。
四季折々の景色が楽しめます
私が行ったのは夏の終わりでしたが、緑が多いため空気が少しひんやりとして気持ちの良い季節でした。秋は紅葉も楽しめますし、冬の雪も風情がありそうです。
ちょっとアクセスはしづらいですが、お隣の旧畑迫病院と一緒に訪れてみてはいかがでしょうか。