2020年12月、まだGoToトラベルが中止になっていなかった頃、ANAのフライングホヌ・チャーターフライトに行ってきました。海外どころか、飛行機に乗って国内旅行も行きづらい今、飛行機の新しい楽しみ方を模索している航空会社の苦労が垣間見えるイベントでした。
遊覧飛行とは
飛行機は一般的には交通手段ですので、『A地点からB地点』など、人や貨物をどこかの目的地へ運ぶものです。私は飛行機が好きなので、乗ること自体を目的にすることも多いのですが、世の中の多くの方にとっては移動手段だと思います。
一方遊覧飛行とは、A地点を出発してどこかを飛んでまたA地点に帰ってくるというもの。もしかしたら別の地点に降りるコースもあるかもしれませんが、基本的に出発地に戻ります。
例年であれば、初日の出フライトくらいしかなかったかな、と思います。
また、セスナやヘリなどを使って夜景を楽しむ遊覧飛行などは、従来からありました。大都市ならよくありますし、私もニューヨークでヘリに乗ったことはありました。
最近増えている旅客機での遊覧飛行
ここ最近で増えているのが、初日の出でもないタイミングでの旅客機による遊覧飛行です。
今回私が搭乗したANAやFDAの遊覧飛行など、航空会社がさまざまな商品を販売しています。
コロナの影響で旅客便が減っていますので、その空いている機材を使って遊覧飛行をしてしまおう!という航空会社の思惑と、少しでも旅行気分を味わいたい!というニーズが合致したのかな、と思います。
また、飛行がない状態が続いた機材は整備が面倒になるようで、その前に飛ばして整備を避けたかったり、フライトがなく余剰になっているクルーの訓練などの目的もあるのかな、と。
フライングホヌ・チャーターフライト
最近の遊覧飛行の先駆けとなったのが、2020年8月から始まったANAの「フライングホヌ・チャーターフライト」。ウミガメが描かれた2階建てのA380を使って遊覧飛行を楽しむというものです。
成田を出発して、数時間遊覧して、ちょっと飲み食いして、お土産をもらうという企画です。
初回の抽選は数百倍?!くらいの競争率だったようで、我が家ももちろんハズレ。そこから何度か応募して、ようやく12月に当選し、参加してきました。
企画概要
私たちが参加したのは地方からのフライトもセットになった、GoToトラベル対象のツアー。新千歳、関西、伊丹、広島、福岡から羽田までの往復フライトと、ホヌの遊覧、宿泊がセットになったパッケージです。
参加料金
搭乗クラスによって料金が変わりますが、伊丹発は以下のような感じでした。
下段の赤字がGoTo適用後の金額ですが、こう見るとGoToの威力は大きいですね。私たちはビジネスクラスの通路側を申し込んだので、一人62,000円。これに地域共通クーポンが一人6,000円もらえましたので、実質56,000円。
往復のフライトと宿泊も付いていると思えば、なかなかお得なのでは?と思います。
ただ、羽田~成田の移動は自力ですので、地味に交通費がかかります。今はANAの成田国内線がないので仕方ないですね。。
チャーターフライトのみの申込みで、LCCを使っていけばもっと安く上がりそうです。
当日成田の様子
ということで、羽田から成田に向かい、ガラガラの空港を見学してみました。日中でこれです。寂しい・・
とはいえ、少しは国際線も飛んでいますので、たまに開いているカウンターに少し人が並ぶ様子もありました。
飲食・物販ゾーンはこんな感じでしたが、マクドやスタバ、フードコートとレストラン数店は開いている状況。コンビニも開いていました。
チェックイン
昼食を済ませてカウンターに向かう際、モニタを見ると今回の便名が!成田発成田行き!こういうのはテンション上がりますね。
少し早めに搭乗カウンターに行ってみたところ、青いサンタ帽を被ったスタッフさんたちが打ち合わせ中でした。お世話になります~
しばらく時間を潰して、再度チェックインへ。ビジネスクラスで予約していたので「グループ3」のレーンに入ります。そもそも自分が何グループかよくわからなかったのですが、メールの案内文に書いてありました。よく見ていなかった・・
カウンター上のモニタもホヌ仕様。
手書きの搭乗券とwifiのカード。手作り感満点の搭乗券でした。
チェックイン時にお土産一式もいただきました。
こんな感じで配布を待つカメたち。
普段は荷物を預けるレーンの上で、配布予定の物が置かれているという、いつもと逆の状態ですね。
カメだらけ。
中身はこんな感じでした。ポーチはフレッドシーガルのものでしたが、透明じゃなくて白いのが良かったなー。透明って使いづらいんですよね・・。ありがたくいただきますが。
「ひこうきふうせん」は搭乗ゲートで合言葉を言えばもらえました。
いざ、搭乗
成田の、あの狭い国内線ゲートからバスで移動して搭乗します。
搭乗ゲートでは限定品の販売もされていました。ファイヤーキングのカップ、柄がもう少しオシャレな感じだったら良いのに・・と思いつつ。
バスで移動すること数分。カメ2匹が並んでお迎え!
もう遊覧飛行は何度も実施されていますので、メディアはいませんでしたが、お見送りスタッフさんも横断幕を持って待ってくれていました。
ファーストクラスとビジネスクラスの搭乗は前方からです。カメの左頬あたりですかね。我が家は出遅れてしまい、ビジネスクラスほぼ最後の搭乗だったため階段も撮影し放題。
2階席・天国への階段も独り占め。
ビジネスクラスの場合、窓側を指定すると身内でも前後に座席指定されるため、隣同士で座りたい場合は通路側にしないといけません。
はい、まぎれもないホヌです。
ビジネスクラスは満席に近い感じの印象。
機内サービス
離陸前にアルコールシートが配布されました。きっちり消毒されているとは思いますが、気になるところをフキフキ。
ドリンクメニューも手作り感満点。改行位置とか気になるところがいっぱい・・
離陸後まもなくドリンクサービス開始です。もちろんシャンパーニュ!
このカットは窓際でグラスでやりたいですね。
おかわりは白ワイン。
おやつはキャラメルポップコーンとバナナマフィン。ポップコーン美味でございました。
ドリンク、おつまみの次は、国際線なら機内食の時間ですが、そういう訳にいかないのが遊覧飛行。寂しい・・
抽選会も実施
この日は、ハワイのホテル宿泊券などが当たる抽選会も実施されました。座席番号で抽選だったかな。エコノミーとプレエコの人しか当選していなかったので、ビジネスやファーストに乗っている人は、自力で行ってね、ということですかね。
飛行ルート
ホヌの遊覧飛行は日によってルートが違うようですが、この日はこんなルートでした。
成田から鳥取方面へ向かい、ぐるっとまわって3時間くらいだったと思います。
遊覧終了
あっという間の3時間。降りるときはレインボーの照明でお見送りでございました。
成田に着くとすっかり夜。ありがとう~
遊覧飛行企画はまだ続くのか?
この遊覧飛行企画、いろいろな事情があって企画されていると思いますが、すごい倍率の割に毎週のように実施している訳ではありませんし、商売としてはあまり旨味はないのかな、と思います。場合によっては、実施すればするほど赤字になるのかもしれません。
当初はメディアにも取り上げられてパブリシティ効果がありましたが、私が搭乗した際は、マスコミは1社も来ていなかったと思います。
シンガポール航空も遊覧飛行を企画したようですが、無駄な二酸化炭素を排出するとして、地上に停まっている機内で、機内食を提供するイベントに切り替えていました。
ホヌはまだしばらくハワイに飛べなさそうです。整備の都合で遊覧飛行はあるかもしれませんが、片野坂社長が言われる「ANAグループの新しいビジネスモデルへの変革」に期待しましょう。