パスポートの申請や受取は、原則窓口に本人が行って手続きをするルールになっています。それが、Webで申請&郵送での受取ができるように、政府が検討しているとのこと。これは旅行者にとっては朗報です。メリット・デメリットを考えてみました。
パスポート申請の現状
世界最強とも言われる日本のパスポート。日本人が海外に行く際は必要で、海外滞在中は命の次に大切と言っても良いかもしれません。
パスポートが必要!となったら、各自治体のパスポートセンターなどに原則本人が出向き(代理申請も可能)、手続きが完了したら本人が受取に行くというちょっと面倒な流れになっています。
一般の人が申請するのは「一般旅券」と呼ばれるもので、紺色の5年と赤色の10年の2種類。未成年の方は5年のものしか申請できません。
最近の申請数
大阪府のレポートによると、2019年1月~12月の大阪府での一般旅券発行件数は350,118件で前年比106.6%、全国で見ると4,182,207件で、前年比は105.6%とのこと。
http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/9709/00000000/H30toukei.pdf
過去30年間のデータも載っていますが、かなり世界情勢やトレンドなどが反映されているようで興味深いです。
たとえば平成13年(2001年)は前年比74.2%。おそらくアメリカ同時多発テロの影響でしょう。
そこから平成15年(2003年)までパスポートの申請数は減り続けますが、平成16年(2004年)は前年比128.1%に復活します。この年はアテネオリンピックがあったり、元イチロー選手が最多記録安打を更新したりとスポーツネタも多いのですが、韓流ブームでパスポートの申請が増えたんじゃないか?と思います。
その後約15年間はアップダウンはあるものの、ゆるやかに増えているといった雰囲気です。
とはいえここ30年間の申請数ピークだった平成8年(1996年)の約623万件にはまだまだ及びません。平成7年(1995年)には1USドルが80円を割る円高になっていますので、この影響で翌年海外渡航者が増えたのかしら?とも思います。
パスポートの申請や海外渡航者数の推移はさまざまな理由が絡んでくるので、これ!という理由は確定できませんが・・
政府が検討していること
現在、政府はパスポートの申請について、申請者の利便性が上がるように以下の3点を検討しているそうです。
- 早期にめざす:郵送での受取
- 2021年度:手数料をクレジットカード支払い可能に
- 2022年度:Webで申請
実現すれば、これまで原則本人が窓口に行って申請し、また本人が申請した窓口に受取に行くという手間がかなり軽減されそうです。
手数料の支払いもクレジットカードOKになればラクですね。キャッシュレスバンザイ。
メリット・デメリット
申請者も自治体もメリットは多くあります。申請者のメリットはそのままですが
- 一切窓口に行かなくて良いので仕事を休まなくて良い!
- カード払いにすればポイントも貯まる!
といったところでしょうか。大阪府は比較的各自治体でパスポート申請ができますが、お隣の兵庫県はあの面積のワリに三宮・尼崎・姫路・但馬空港の4箇所しか旅券事務所はありません。さすがに離島の多い沖縄は市町村の窓口で申請できるようです。
国や自治体のメリット
現在もパスポートセンターの一部は日曜日などに受取可能なところもあります。おそらく申請者の利便性を考えてのことだと思いますが、開室しているということは働いている人がいるということ。お疲れ様でございます。
窓口申請が少なくなれば、日曜の開室は月に数回だけ、ということになるかもしれません。働き方改革バンザイ。
デメリットってあるのかな?
まずは旅券法の改正が必要だそうです。旅券法には「申請者が人違いでないこと確認する」とあります。Webで申請して郵送で受け取ったら、いつ誰がどのように本人確認するのか?という問題が発生します。
郵便局の本人限定受取では身分証を提示させられますが、Web申請は誰がやってもわからなさそうですよね。もともとパスポートは代理申請が認められているので、受取だけ本人確認をするという具合にするのでしょうか。。
また、申請書類に不備があった場合、窓口ならその場で訂正して済むこともありますが、Web申請利用ならやりとりに少し時間がかかりそうです。結局窓口に行った方が早かったかも?!なんてことが起きるかもしれません。
次回はWeb申請&郵便受取?
私のパスポートの有効期限は2023年なので、このままうまくいけば次回はWeb申請&郵便受取ができるようになっているはずです。
パスポート更新は約10年に1回の儀式みたいなものなので、毎回パスポートセンターに行くのも楽しかったのですが、一度くらいはWeb申請&郵便受取を試してみようかと思います。